イタリアの長距離列車

3年ぶりのイタリア帰省。我が家はローマから南イタリアのプーリア州、フォッジャへ移動する必要がありました。

移動の方法は車か電車の2択だったのですが、ルッチョ(夫)が「イタリアで運転する自信がない」ということで、電車で移動することに決定! その後他の都市に行く際も、基本的には電車で移動しました。

※私は車一択だったのですが、なぜか「電車でもいけるんじゃ?!」と謎の自信が出て、電車を選びました。

そこで今回は、イタリアの電車と、実際に私たちが子連れで経験した旅の様子を紹介します。

目次

イタリアの鉄道システム

イタリアには、主にTrenitaliaとItaloの2つの鉄道会社があります。

TRENITALIA(トレニタリア)

イタリアで最も大手と言われる、元国営の鉄道会社。地域のローカル線(regionale)はもちろん、高速鉄道(velocità)も運営しています。

トレニタリアの電車の種類は、複数に分けられ、用途に合わせて選ぶことが可能です。以下にご紹介している電車の他にも、いくつか異なる種類があります。

  • Frecce:時速300kmほどのスピードが出る高速の長距離列車。
    • Frecciarossa(フレッチャロッサ):トリノ・ミラノ・ボローニャ・ローマ・ナポリなどを結ぶ
    • Frecciaregento(フレッチャルジェント):ローマ・ベネチア・ヴェローナ・レッチェなどを結ぶ
    • Frecciabianca(フレッチャビアンカ):ミラノ-ベネチア間、ジェノア-ローマ間などを結ぶ

(参考ページ:trenitalia “Frecce: Trenitalia high speed trains“)

  • インターシティ(Intercity):大都市はもちろん、中都市も結ぶ長距離列車。
  • レジョナーレ(Regionale):地方都市や小さな町も結ぶ近距離列車。

TRENITALIA公式ウェブサイト

Italo(イタロ)

trenitaliaの最大の競合で、スーパーカーで有名なフェラーリの会長が立ち上げた鉄道会社。ワインレッドの車体が特徴的です。フェラーリに由来するだけあって、内装も豪華ですが、運賃はそこまで高くありません。

イタロが結んでいるのは、ローマ・ナポリ・ミラノ・フィレンツェ・ベネツィアの主に5つの大都市ですが、最近は中都市間も運行するようになりました。

Italo 公式ウェブサイト

子連れ長距離列車の旅

今回私たちはイタリア到着直後の移動と、義兄・義妹を訪ねるときの移動で電車を利用しました。

1:Intecity:ローマ-フォッジャ間

今回私たちはローマからフォッジャまでの移動で、Trenitaliaのインターシティ(Intercity)を利用しました。テルミニ駅から、朝8時過ぎの出発です。そのため、朝食をホテルで食べるのは諦めて、パニーニを購入することに。

荷物が多いのと、子連れだったこともあって、発車の時間よりもかなり早く駅に着くように調整しました。

それに、日本なら新幹線の発着ホームが早い時点からわかるようになっていますが、ヨーロッパでは電車が到着する時間近くにならないと、どのホームになるのかがわからないのです。

だから、電車の表す電光掲示板の前は、いつもホームがどこになるのかを知りたい人々でごった返し。ホームが発表された途端にみんな一目散に電車へ急ぎます。子連れ+荷物の私たちは、いつも以上にストレスを感じていました。

しかし今回は、ローマが始発駅。そのため、比較的余裕を持って指定席へ向かうことができました。

イタリアの公共交通機関というと、今までの経験から「汚い」というイメージ。今回はどんなものかとヒヤヒヤしていましたが、意外とキレイ! 4人のボックス席に3人で座り、パニーニを食べながら、3時間の旅を楽しみました。

Intercityのような高速列車には、各席にコンセントプラグがついているので、スマホを使い続けたり、タブレットで映画を観るなどしても安心ですよ!

2. Frecciarossa:フォッジャ-ミラノ、フィレンツェ-ベネチア、ベネチア-ボローニャ

長いイタリア滞在の間、イタリア北部に住むルッチョの兄や妹の家にも滞在しに行きました。そのときに使ったのが、Frecciarossa。

大きく、ナポリ-ローマ間を通る西側のラインとレッチェ-ミラノを結ぶ東側のラインがあります。実は私たちが移動をする2日前に、西側のFrecciarossaが脱線! キャンセルが相次いで、ニュースにもなっていたのですが、私たちは幸いにも東側のラインの列車だったので、移動をすることができました。

Frecciarossaには4つのクラス(エグゼクティブ・ビジネス・プレミアム・スタンダード)があります。ただ、ビジネス以上のクラスはそれこそ仕事をしている人などもいるので、小さな子どもはあまり乗せるべきではないそう。

そこで我が家はプレミアムクラスを利用しました。スタンダードとの違いは何かというと、シートの座面と、ウェルカムドリンクのあり・なしといったところ。子連れということもあって、少し余裕を持ちたかったので、プレミアムクラスを選びました。

座席は指定で、車掌さんが1席ずつチケットを確認しに来ます。そのため、チケットを確認するまでは指定の席に座っているべきですが、その後は席を移動している人もちらほらいました。

売店(バール)が電車内にあるので、お腹が空いたらサンドイッチや、コーヒーを購入することも可能です。

また、FrecciarossaではWiFiがあるので、ストリーミングサービスを利用することもできます。子どもとの移動ではタブレットが欠かせませんが、インターネット接続があるのはとてもありがたかったです。

どれも6-7時間の旅で、マシューの暴れように天を仰ぐこともありましたが、イタリアの人は誰でも子どもに優しいので、とても助けられました。

あと、驚くことにFrecciarossaのお手洗いはとてもキレイでした! 電車のお手洗いって特にイタリアは汚いイメージだったのですが、駅のお手洗いよりもキレイ! 汚いだろうと思ってミラノまで我慢して、そこまでキレイじゃなかったので、電車で行っておけばよかったと後悔しました…笑

ローカル電車はきれいになっているところも

長距離列車の他に、今回我が家はローカル線にも乗りました。以前2018年ごろに南イタリアでローカル線に乗ったときには、まず汚くて、クーラーも効いておらず、落書きだらけ……で、「できればもう乗りたくない」というのが正直な感想。

ただ今回は車もなく、友人に会うのにはどうしてもローカル線に乗らなければいけなかったので、しぶしぶローカル線に乗ることに決めました。

しかし私たちの期待は、いい意味で裏切られました!電車がとってもきれいになっていたのです。モダンで、スペースも十分。気温37度で酷暑だったのですが、クーラーもしっかりと効いていました。

プーリアのローカル線

一点、トイレから水が溢れていて、床が水浸しになっていたのは残念ポイント……。でも以前の暗くて落書きされた、蒸し風呂状態の電車を考えると、とっても快適でした!

遅延することもあるので注意

今回私たちはラッキーでしたが、イタリアの電車は大幅に遅延することがあります。電車を待っている間にも「この電車は80分の遅延です」というアナウンスが流れていて、うなだれている人がちらほら。

遅延をした場合は、少しですが返金があるので、事前に確認しておくといいですよ!

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