2022年5月から7月にかけて、イタリア帰省をした我が家。ルッチョ(夫)の実家はイタリアの南東部、ブーツの形のかかと部分です。
実家に滞在中、どこに行く予定も立てていなかったのですが、ルッチョの兄・妹から(ルッチョは4人兄弟)「せっかくいるならこっちに来てよ!」と誘われて、北部・中部を旅することになりました。まずは義兄がいる、北部からスタート!
義兄はピエモンテ州のVercelli(ヴェルチェッリ)という街に奥さんと住んでいます。ちょうどミラノとトリノの間に位置するので、トリノへ日帰りで行くことに。
義姉はトリノの大学に通っていたので、いろいろと教えてもらいながら見て回ってきました!
ピエモンテ州トリノ
Torino(トリノ)というと、2006年の冬季トリノオリンピックを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?ミラノから東に車で2時間弱。市街からすぐのところにアルプス山脈があり、イタリア最長のポー川も流れています。車メーカーのFIAT(フィアット)の本拠地があることでも有名です。
街並みは緑が多く、歩道にはアーチがかかっているところが多々あります。その距離、なんと18キロ! 義姉によると、王室の女性たちが雨の日でも濡れずに移動できるように作られたのだそう。このアーチがとても美しくて、トリノにこれまで何も思い入れがなかったのに一目で気に入ってしまいました! いつかイタリアに住むことになるとしたら、トリノだと嬉しい…。
このアーチを作らせた王室というのが、Savoy(サヴォイア)家です。小国がせめぎ合っていたイタリアを統一した貴族で、トリノは当初首都として機能していました。その歴史から、トリノ周辺は「サヴォイア王家の王宮群(Residences of the Royal House of Savoy)」としてユネスコ世界遺産に登録されています。
エジプト博物館 Museo Egizio
「トリノに来たらこれを見なきゃ!!予約しておいたから!」と最初に連れて行ってもらったのが、「エジプト博物館」です。「なんでイタリアでエジプト博物館?」とも思ったのですが、なんと所蔵数はエジプト・カイロにあるエジプト考古学博物館に次いで世界2位だそう!
この博物館の歴史は、1630年ごろにMensa Isiacaという祭壇がエジプトからトリノに運ばれたことで始まりました。これを見た国王が考古学者たちをエジプトに派遣したことで、ここまで所蔵数が増えるほどになったそう。
そこまでエジプトに興味があったわけではないですが、説明を読んでいるとなんだかどんどん興味が湧いてきます。エジプトの王族が使っていたベッドに置いてあった枕が痛そうだったり、手紙やメモが人間味溢れていたり。古代も現代もそう変わらないな…なんて思いつつ、数多くのミイラや日用品、宝飾品など、堪能しました。
なんと言っても、巨大像が並んでいる姿は圧巻!写真を撮ろうにもなかなか収まらないサイズです。これを作るのにどれだけの労力と時間がかかったのか…考えただけでも気が遠くなりますね。
エジプト博物館は3フロアに分かれていて、大体2〜3時間で見終わります。途中で疲れても、館内にカフェがあるのでそこで一休みすることができますよ。トリノに行くことがあれば、絶対に外せないスポットです!
ただ、義姉は「マシューにとって絶対に面白いはずだから!」とプランしてくれたのですが、3歳手前の子どもにエジプトの魅力なんてわかるはずもなく…(笑)途中で飽きたのか、寝てしまいました。その分大人はゆっくり見れたので、結果オーライです!現地の小学生たちは楽しそうにしていたので、おそらく5歳くらいからなら興味を持てるかもしれません。
オムツ替えスペースや子ども用トイレもあるので、ファミリーでも安心して楽しめるはずですよ!
【エジプト博物館(Museo Egizio)】
公式サイト
アドレス
Via Accademia delle Scienze, 6, 10123 Torino TO, Italy
開館時間
月曜日:9:00-14:00
火〜日曜日:9:00-18:30
(時期によって変更あり)
チケット
大人:15ユーロ 70歳以上:12ユーロ
15−18歳・大学生:3ユーロ
6-14歳:1ユーロ 5歳以下:無料
事前予約
公式チケットサイトから
ランチはカルロ・アルベルト広場のピッツェリアで
エジプト博物館から歩いてすぐのPiazza Carlo Alberto(カルロ・アルベルト広場)。トリノ大学の図書館や博物館に囲まれていて、哲学者ニーチェにゆかりがあります。
青空と広場の緑が気持ちよかったので、ここの角にあるSfashion Cafèでランチをすることにしました。私たちは外のテラス席に座ったのですが、中の内装がおしゃれ!人気のようで、テラスは満席でした。
メニューはピザの種類が多いことはもちろんのこと、前菜やフライなど充実していて、子ども向けのBaby pizzaもいくつか種類があったので、子連れに優しいお店だと思います。店員さんもマシューにとってもフレンドリー!
ピザの味はというと、大学時代をナポリで過ごしたルッチョはピザにうるさいのですが、ここのピザには二重丸!サイドに出てきたパンも美味しくで、マシューが頬張っていました。
ただ、人が集まるだけにジプシーも多く、海外ではどこもそうですが、特に荷物に気を付ける必要があります。
初めてジプシーに話しかけられたと気はおどおどしていたのですが、今ははっきり「NO!」を繰り返すのみ。何かを売りつけられることもあるので、こういうときには心を鬼にしましょう。
老舗ジェラートのPepino
エジプト博物館のすぐ横にカリニャーノ広場(Piazza Carignano)があります。サヴォイア家の分家、カリニャーノ家が住んでいたバロック様式のカリニャーの宮殿に面しており、小さい広場ながら開放感たっぷりです。
この角にあるのが、トリノの老舗ジェラート店Gelateria Pepino(ペピーノ)。
1884年に創業し、世界で初めてチョコレートでコーティングされた棒付きアイスクリームを発売しました。
お店ではテーブルについてアイスを食べることもできるし、お店の横にあるスタンドで購入して持ち帰ることもできます。私たちは食べ歩き用にスタンドでアイスを購入しました。
トリノといえば、Gianduja(ジャンドゥーヤ)!日本で人気のトリノ発チョコレート店、Venchiでも目にしたことがある人はいるのではないでしょうか。ジャンドゥーヤはヘーゼルナッツなどナッツが混ざったチョコレートで、口当たりが柔らかく滑らかなのが特徴です。
このジャンドゥーヤ、実はトリノで初めて作られました。と、いうことで私はジャンドゥーヤ味をチョイス!ジャンドゥーヤそのものらしく、滑らかでとっても美味しかったです。いつか全種類制覇したい…
サン カルロ広場(Piazza San Carlo)
ペピーノからまた歩いてすぐ。細い道を抜けると、目の前にサン カルロ広場(Piazza San Carlo)が広がります。
ここはトリノの中心部で、16〜17世紀の間に作られました。ここもアーチがかかった歩道に囲まれていて、まるで映画の世界です!!陽が照りつけていると石畳に反射してとても暑いのですが、アーチに入れば涼むことができますよ。
行った日はちょうどコーヒー焙煎市のようなものをやっていて、コーヒーの匂いが漂っていました。たまたま義兄夫婦の友人も出店していて試飲させてもらいましたが、好みに合わせて入れてくれてとてもおいしかったです!
魅力いっぱいのトリノ
今回は半日しかいられなかったので、もっと見て回ることができなかったのですが、短時間でも魅力を十分に感じられる街でした!
「いつか住んでもいいなぁ」なんて思うほど。
また訪れたいイタリアの街の1つです。