イギリス大学留学での滞在先の種類と特徴【体験談あり】

イギリス大学留学での滞在先

海外の大学に留学するときに気になるポイントの1つといえば、滞在先。短くても数週間、長ければ何年かの間過ごす空間ですから、帰ってホッとする場所を見つけたいですよね。

ではイギリスで大学留学をするときには、どのような滞在先があるのでしょうか?

今回は自分の経験も交えてご紹介します。もちろん、大学院留学をする方にも有用な情報ですよ!

目次

主な滞在方法の種類

イギリスで大学留学をしたときには主に4つの滞在方法があります。

  • 学生寮:大学が提供する生徒用の寮
  • 賃貸:不動産屋を通して実際に物件を賃貸する
  • フラット・ハウスシェア:1つの物件を複数人でシェアして共同生活する
  • 下宿:大家さんの住む物件にある空き部屋で生活する

学生寮は大学を通して手続きをしますが、賃貸・フラット・ハウスシェアと下宿については、大学外のシステムを用いて手続きをします。そこでここでは、この2つに分けて滞在先を見ていきます。

学生寮

多くの場合、イギリスの大学・大学院に入学した最初の年に滞在することになるのが、学生寮。

学部生・大学院生向けの寮に分かれていることが大半で、女性専用や家族連れ用のエリア・部屋などさまざまなオプションが用意されています。以下は、筆者が通っていたバース大学で用意されている学生寮のオプションの一部です。

  • 学部生 or 大学院生用
  • 女性専用フラット
  • シングル or 共有 ルーム
  • 社会人学生向けフラット
  • カップル or 家族連れ向けフラット(キッチン付き)
  • シャワー・トイレ有り(Ensuite) or 共有(Shared Bathroom)部屋
  • 自炊 or 食事付き
  • 静かなフラット(22時以降騒音禁止)
  • アルコール持ち込み禁止フラット

ここで「フラット(flat)」という言葉が出てきますが、イギリスではアパート・マンションのことを指します。例えば2つ寝室があるアパートを誰かとシェアして借りる場合には、「フラットシェア(flat share)」といい、一緒に住んでいる人のことを「フラットメイト(flatmate)」と呼ぶのです。

一軒家をシェアする場合には「ハウスシェア(house share)」と言い、同居する人たちのことは「ハウスメイト(housemate)」と呼びます。

大学寮で「フラット」は、いくつかの部屋が集まったセクションのような意味合いで使われていました。

例えば私が滞在していた大学寮の1フロアには、フラットが3つほどあります。各フラットは個室がいくつかあり、その住人たちでキッチンをシェアするのです。

フラットのレイアウト1

友人たちのフラットの場合はシャワー・トイレも共有だったので、図のようなレイアウトでした。

フラットのレイアウト2

もちろん大学によっては呼び方が異なることもあるかと思いますが、参考にしてみてくださいね。

自分の生活スタイルで学生寮を選ぶ 〜筆者の場合〜

私が当時滞在していたのは女性専用フラットで、トイレ・シャワー付きの部屋(Ensuite)でした。

その頃から15年強。もちろんそのままではないだろうと思いましたが、現在の母校の学生寮を見てみると、とても綺麗になっていて驚くばかり!この動画は実際に私が滞在していたJohnWood Courtの学生が撮影したものですが、部屋のレイアウトは変わっていないようです。

バース大学は街の中心部から離れた丘の上にあり、大半の学生寮はキャンパスにあります。しかしJohnWood Courtがあるのは街の中心部。実は私が最初に入学したファウンデーションコースは、City of Bath Collegeというカレッジで行われているので、キャンパスから離れたこの寮に滞在することになったのです。

先述の通り学生寮の多くはキャンパスにあるのですが、キャンパス内とキャンパス外で生活する場合、どちらにもメリット・デメリットがあるように思います。

例えば1つ挙げるとすれば、キャンパスに住んでいると図書館にすぐ行き来することができます。バース大学の図書館は24時間開いているので、「課題に追われている!」というときや「遅いけど調べ物がしたい」というときに便利なのです。キャンパス外の場合は街のあらゆるお店やサービスにアクセスしやすいのが利点。2年目から寮以外の滞在先で生活するときに、街のことをよく知るのに役立ちました。

フラットメイトが誰になるかで生活の質が変わることも

学生寮に滞在すると、1年間同じフラットメイトと時間を過ごすことになるので、なるべく同じような生活スタイルを送る人たちと一緒のフラットになることが重要です。Freshersと呼ばれる1年生は初めて親元を離れるためか、ハメを外すことも少なくありません。

パブやパーティーに行くのが大好きな人もいれば、静かに過ごすのが好きな人もいますよね。勉強にしっかり取り掛かりたいという場合、あまりうるさいフラットメイトがいると困るということもあるでしょう。上記のようなオプションが提示されているときは、どんな学生生活を送りたいか、どのような友人を作りたいかなどを考えて選ぶことをオススメします。

たとてばこちらの動画では、騒音禁止のフラットについて紹介されています。やはり同じオプションを選ぶ人は似た考え方になることが多いようです。

私の場合、当時は上記のように細かいオプションがなく、シャワー付きか、女性専用フロアにするかくらいしか選ぶことができませんでした。実際、フラットメイトとはあまり気が合わず、他のフラットで仲良くなった友人たちと過ごすことが大半。夕飯もその友人たちと食べていたので、自分の部屋にいたのは勉強をするときとシャワーを浴びるとき、寝るときだけでした。

学生寮で出会う人は、2年目以降に一緒に生活をする人になる可能性大

学生寮の滞在が保障されているのは大学入学後最初の1年だけなので、2年目からは友人などとフラット・ハウスシェアをすることになり、賃貸物件を自分たちで探さなければいけません。

私の場合はもともとファウンデーションコースで大学に入学したわけですが、学生寮は1学年上の学部生たちと一緒。実際に学部課程に入学したときには、自分の同学年の人たちより先に寮以外で住む物件を探す必要がありました。

学生寮にいるときに生涯の友人と呼べる友人たちとも出会いましたが、なぜか男子ばかり。私としては彼らと一緒に生活をしたかったのですが、日本にいる家族も、「男子ばかりの家に居させるわけにはいかない」と、2年目は1人でフラットを賃貸することになりました。

「女子で一人暮らしの方が危ないのでは」という意見もあるかもしれませんが、住んでいたフラットの目の前や横隣に友人たちが住んでおり、場所も街のど真ん中*だったため、危険を感じることはありませんでした。

*イギリスは人口より監視カメラ(CCTV)の数が多いと言われています。

賃貸、フラット・ハウスシェア、下宿

賃貸やフラット・ハウスシェア・下宿をする場合、物件探しには2通りの方法があります。

  • 不動産屋を通す
  • 学生用の掲示板を通す

不動産屋を通す

1つ目はごく一般的な方法です。不動産屋さんを通して物件を見つけ、契約をします。

私がよく利用していたのは rightmove というウェブサイト。2022年の現在空きがある物件を見たところ、昔よりも家賃がかなり高騰しているようですが、たまに掘り出し物件もあるので、見ておいて損はありません。

日本で「ワンルーム」と言われる”Studio”や、1ベッドルームのフラット、他の人とのシェア、学生向けの物件なども探すことができます。

rightmoveの検索画面
rightmoveの物件検索フィルター

注意点として、学生(特に海外からの留学生)が賃貸する場合は数ヵ月分の家賃を契約時にまとめて払ったり、誰かに保証人(guarantor:ギャランター)になってもらう必要があります。私の場合は母の友人がイギリスにいたので、頼んで保証人になってもらいました。

4年目以降も訳あって再び街の中心部に賃貸をしたのですが、そのときも同じ方法です。大学卒業後は保証人なしでの賃貸でも大丈夫でしたよ。(場合により異なります)

また、Gumtreeという掲示板サイトも私の周りでは人気でした。求人や、中古品の売買などをはじめ、物件の告知もできるのです。特にハウスメイト・フラットメイトを探しているという情報が多いので、不動産屋などを仲介せずに物件を見つけたい人にオススメです。

学生用の掲示板を通す

大学の物理的な掲示板ももちろんですが、私が通っていたバース大学では内部の学生向けにオンラインで掲示板が用意されていました

ここでは不動産屋さんを通さずに直接大家さんが物件を載せたり、学生がシェアハウスで空いている部屋の入居者を探すことも。アルバイトの情報、ランゲージエクスチェンジの募集などもありました。

毎年1年生が次年度のために物件を探す時期になると、ものすごい量の物件が掲載され、各物件は内見(house viewing)に訪れる学生でいっぱいに!人気の物件はすぐに契約が決まってしまうので、争奪戦状態でした。

学生用の掲示板のいいところは、賃貸のように保証人を必ずしもつける必要がないこと。大家さんは学生をメインに物件を貸出しているので、学生に優しい条件にしていることが多いのです。不動産屋さんを通さずに直接やりとりするので、家賃が比較的安価で、何か物件に問題があってもすぐに連絡ができます。

私はイギリス滞在3年目、先述の大学寮で出会った友人たちと、コースで出会った友人(女子)の5人で掲示板を通して一軒家をハウスシェアで借りました。リビングルーム・ダイニングルーム・キッチン・寝室5つ・シャワールーム2つ・庭付きといった物件です。

学生らしくパーティーなどもしていましたが、家は住宅街にあったので、周辺のことを考えて12時以降は騒音にならないようにしていました。フライパンや皿など自分が使ったものは自己責任で、各自掃除を分担していたと記憶しています。

友人のなかには、大家さんが住む家の一室を借りて、下宿のような形を取っている人もいました。言い換えれば、「ホームステイ」のような感じですね。ただ、ホームステイほど「家族のなかに入る」感じに必ずなるわけではなく、大家さんととても親しく家族のようになる人もいれば、「部屋を借りているだけ」というドライな関係の人もいました。

そのときどきで適当な滞在先は異なる

さまざまな滞在先を経験してきましたが、やはり留学して1年目は寮に滞在するのが1番オススメです。まだ土地勘がないときに大学周辺のことを知ることもできるし、セキュリティ面で安心できて同級生たちと知り合うきっかけにもなるので、その後の留学生活の基盤作りにピッタリ!

寮生活ならではの面白いエピソードもあり、今でも当時の友人とは「あのときさ〜」なんて盛り上がっています。

昔に比べて滞在先の種類も、それを探す手段も格段に増えているので、自分に合った「ホッとできる場所」をぜひ見つけてみてくださいね。

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