イギリス留学のメリットは結局どんなところにある?【経験談あり】

「海外留学」と聞くと、まずは英語圏のアメリカやオーストラリア、そしてイギリスなどを思い浮かべる人が多いですよね。

いくつか国があるなかで、イギリスを留学先として選ぶメリットはどんなところにあるのでしょうか?

今回は、イギリス留学を11年間した筆者がイギリスに留学するメリット・デメリットをお伝えします。

留学先を選ぶときに、この記事が役立てば幸いです。

目次

イギリス留学の特徴・メリット

ロンドン

早速イギリス留学の特徴とメリットをあわせて見ていきましょう。

アメリカ・カナダと比べると日本人は少なめ

冒頭でもお伝えした通り、「英語圏」で思い浮かぶ国はいくつかあります。

そのなかでも最も日本人が留学先として選んでいるのが、アメリカ。

この表は(独)日本学生支援機構が行なった調査で最も日本人留学生が多い国Top5を抜粋したものですが、イギリスに行く人の数はアメリカと大きく異なります

留学生数割合
(全体10,999人のうち)
アメリカ3,60332.8%
韓国1,20911.0%
カナダ1,18910.8%
イギリス8627.8%
フランス5314.8%
出典:(独)日本学生支援機構「2021(令和3)年度日本人学生留学状況調査結果」

実際、私が通っていたバース大学にいた日本人は、1年生から3年生までで合計10名ほど。学部生は12,000人ほどいたので、かなり少ない人数であることがわかります。

首都のロンドンにはある程度の日本人がいますが、それでも比較的少ないため、「日本人と関わらずに英語力を伸ばしたい」という人にオススメです。

豊富なプログラムが用意されている

アメリカやカナダでは4年制のことが多いですが、イギリスの学部課程は一般的に3年制です。

これはイギリスだと専攻の基礎となる部分を高校課程で学んでから大学に入学するため。

それで日本の高校卒業後に直接大学留学しようとすると一般教養を学ぶ「ファウンデーションコース」を履修する必要性があるのです。

しかしなかには4年制のプログラムを専攻する人も少なくありません。2年生と最終学年の間にオプションとして「Industrial Placement」を選択することができます

簡単に言ってしまえば「職業訓練」、つまりインターンのようなもの。大学に籍を置きながら、外部で働き、経験を得ることができるのです。

イギリスの新卒採用は、日本とは大きく異なり、一気に就職活動が始まるわけではありません。実力主義のため、職業に活かせるこれまでの実用的な経験をアピールして、採用してもらいます。

そのため、Industrial Placementのような機会が重要になるのです。

また、修士課程は通常1年間。この課程でもIndustrial Placementが組み込まれて2年制になっているコースもありますよ。

他にも、イギリスはアートやファッションを専門とした学校やプログラムなどが多いので、幅広い分野について実践的な力をつけながら学ぶことができます

学生ビザでアルバイトができる

イギリスでは学生ビザを持っている場合、週20時間までのアルバイトが可能です。学校の休暇中はフルタイムで働くこともできるので、生活費の足しにしたり、お小遣いを稼ぐことができるのです。

これに対し、アメリカに留学した場合、アルバイトは一切認められていません。

ここでいう「学生ビザ」は「Tier 4」というもので、イギリス政府が認定した学校に6ヶ月以上滞在する人向けのビザです。

カフェやレストラン、お店のスタッフとして働くことができます。

※看護師など、専門知識を必要とするような職種には就くことができません。

私自身、Student Unionという学生組合の中に入っているカフェでアルバイトをしていました。アルバイト代は、当時の最低賃金の時給4.77ポンド。

その後「スーパーバイザー」になったため少し時給が上がりましたが、お小遣いになる程度でした。

ただ、お金より何よりさまざまな人と出会えたことの収穫が何よりも大きかったです。毎日やってくる常連さん(教授や学生など)とはアルバイトの時間以外でも談笑したり、学業について相談に乗ってもらうこともありました。

もちろん、職業経験としても無駄とはなっていないですし、オーダー時にさまざまなアクセントを聞き取らなければいけなかったのも、英語力強化に一役買ったと思います。

留学の目的は学業ですから、それが疎かにならない程度にアルバイトをするのはとってもオススメです!

ヨーロッパを始め多国籍の人と交流できる

アメリカについて「人種のるつぼ」と習ったことはあるかと思いますが、イギリスも実はさまざまな人種がいる多民族国家です。

2021年に行われた国勢調査によれば、イギリスの81%は「白人」ですが18%はその他の民族だそう。

そして海外からの留学生は「Studying-in-UK.org」によると、2020/2021の学年で679,970人(うち、EU圏からは120,140人)を記録しました。

私が一緒に学生生活を送った友人たちもイタリア、マルタ共和国やギリシャ、ヨルダン、キプロス、カナダ、スリランカ、スペインなど、数え始めたらキリがないほどさまざまな国出身です。

全く異なる文化背景を持った友人たちだったので、話していて驚くことも少なくありませんでした。日々の生活で世界を感じる経験ができるのは、イギリス留学の醍醐味といえるでしょう。

近隣諸国へ旅行に行きやすい

2020年にイギリスはEU連合を離脱しましたが、それでも近隣のヨーロッパ諸国と地理的な距離が変わったわけではありません。

日本と同じく島国ではあるものの、ヨーロッパ大陸とトンネルで繋がっているうえ、EasyJetやRyanairのような格安の航空会社(LCC)もたくさんあります。

航空券は安ければ数千円。日本で新幹線に乗るくらいの感覚で、他の国へ旅行できるのです。

時差もヨーロッパなら1時間ほどしかないので、週末など短い休みの日でも海外旅行ができてしまいます。

私は学部生時代にスノーボードサークルの合宿でフランスへ行ったのですが、そのときの移動手段はバス!ヨーロッパ諸国との近さを改めて実感しました。

日本に帰国した今、もっと在学中に旅行しておけばよかったと思うばかりです。

歴史を身近に感じながら、最新の文化も楽しめる

「イギリスといえば伝統」ではないでしょうか。

アーサー王に始まりヴィクトリア女王、シェイクスピアなど、歴史にまつわるものや建造物が数多く残っています。

国会議事堂であるビッグベンやバッキンガム宮殿など、イギリスを象徴する建物も長い歴史を刻んできました。

街のいたる所で「Blue plaques(ブループラーク)」と呼ばれる青いプレートを目にすることがあるのですが、これはその建物が著名人や歴史的な出来事にゆかりがあることを示したもの。

「ここでこんなことがあったんだ!」と歴史を知りながら街散策をすることができます。

また、最新の文化も目が離せません。アートやファッション、演劇など、日本では経験できない文化体験ができるのも、イギリス留学のメリットといえます。

デメリット

電話ボックス

物価が高い

イギリス留学1番のネックとなるのは、費用面かもしれません。

特にロンドンはシェアハウスに住んだとしても家賃が高く、日本と比べると非常に割高に感じるでしょう。

外食もカフェの利用で1000円はかかってしまうことも多く、日本の感覚でいると驚かされることが多いです。

ただ、スーパーなどで売っている食品はそこまで高くありません。そのため自炊を心がければ、生活費の調整はしやすくなります。

また、為替の状況にも大きく左右されるため、レートが悪いときには想像以上の金額がかかることも。

筆者が滞在していた10年の間には「サブプライム・ショック」が起きたため、為替が大きく変動しました。一時期スターバックスのフラーペチーノが超高級品になり、日本との金額の差に戦々恐々としていた覚えがあります。

そのため、いろいろと節約の工夫をしながら生活をする必要が出てくるかもしれません。

天気が悪い日が多い

バース

イギリスというと、少しグレーがかった街の風景をイメージする人も多いですよね。

ある統計によれば、イギリスで1日のうちに陽が出ている日照時間は平均して4時間!日本の平均は5時間ちょっとなのであまり差がないように感じますが、体感としては「ずっと曇り」ということも少なくないでしょう。

太陽に当たることができないのでビタミンDのサプリメントを接種している友人もちらほらいました。

また、1日の間にコロコロと気温や天気が変わり、朝はポカポカで春のようなのに夕方になると冬に逆戻りでしかも雨、ということも。

「1日の間に四季がある」と言われるほど、安定しない気候です。

ただその分、晴れたときの喜びは計り知れません!

経験では18度を超えると暑く感じ、みな半袖になります。公園はピクニックや日向ぼっこをする人で大賑わい!太陽のありがたみをひしひしと感じるようになりますよ。

グリニッジ
晴れた日のグリニッジ。ピクニックで大賑わい
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